海外居住者がFXで有利な理由

海外居住者(日本非居住者)は、日本に住んでいる方にくらべて、以下のようなメリットがあるため、FX取引を有利に行えます。

メリットその1.レバレッジが大きい

金融庁の規制下にある日本国内のFX業者では、レベレッジは25倍(個人の場合)に制限されているのに対して、海外のFX業者のレバレッジは400倍、500倍と大きいため、資金を効率的に運用することができます。
なお、日本居住者の口座を取り扱う海外業者は現在もたくさんありますので、この点だけをみれば日本居住者と日本非居住者に差はないように見えます。しかし、金融庁の規制強化の方針次第で、これらの海外業者がいつまで日本居住者の取り扱いを受け付けるかは不透明です。実際、ここ数年で以下のようなたくさんの大手FX業者が日本から撤退しました。

【日本から撤退したFX業者】

FXCM UK
IronFX
Market.com
Pepperstone
AxiTrader
など

たとえば、Pepperstoneは以前より国内日本居住者に評価の高いFX業者でしたが、2015年に日本撤退を発表し、多くの国内ユーザーは残念ながら他の業者に乗り換えを余儀なくされました。筆者は長年Pepperstoneを愛用しており、仕事の関係で日本非居住者となったため、現在もメイン業者としてPepperstoneを利用しています。

メリットその2.税金が(国によっては)かからない場合がある

日本居住者にとってFX運用益は、国内FX業者を利用した場合は雑所得として源泉分離課税、海外FX業者を利用した場合は、総合課税となります。税率は異なりますが、いずれも課税対象となります。

一方、日本非居住者が海外のFX業者を使って獲得した運用益は、国によって、非課税となる場合があります。

まず第一に、日本非居住者の日本での課税対象は、「日本国内源泉所得」だけ(たとえば海外駐在員が日本でマンション賃貸収入がある場合)です。日本非居住者が海外のFX業者を使った場合の運用益は、日本国内源泉所得ではないため、日本では非課税と考えられます。

第二に、日本非居住者が海外の居住国で当該FX運用益に税金がかかるかは、それぞれの国の税制によります。たとえばシンガポール、マレーシアや香港では、居住者でもキャピタルゲインは非課税であるため、当該FX運用益は居住国でも課税されないことになります。なおタイの居住者は、国外所得のうちタイに持ち込んだ部分が課税対象となります。

国別の税制の詳細は、こちらをご覧下さい。>「国外FX運用益の税金をめぐる国別比較」

(なお、当サイトは節税を指南する趣旨はありません。日本では、平成24年度の税制改正で「国外財産調書制度」が導入され、5000万円超の国外財産を有する居住者は税務署に報告義務があります。)

以上の2つのメリットは、FX運用における資金効率・収益性の点で圧倒的に有利といえます。ただし一方で以下のデメリットもあります。




デメリットその1:日本国内FX業者の狭いスプレッドが使えない

日本国内のFX業者では、ビジネスモデルの違いや競争環境の違いから、海外業者に比べて一般に狭いスプレッドを提供しており、MT4の口座でもかなり狭いスプレッドを提供している業者があります(たとえばOANDAではドル円0.4pip)。日本非居住者は、日本国内FX業者での口座開設は実質できません。ただしこのデメリットは、海外FX業者のなかでもECN口座を提供している業者を選び、キャッシュバックを併用することで挽回できます(約定力、スリッページの多寡にもよりますが)。海外業者のECN口座では、(別途コミッションがかかるものの)スプレッド自体はさらに狭いので(たとえばドル円0.1pipなど)、EAのパフォーマンスの観点ではデメリットとはいえないケースが一般的です(なお頻繁に売買を繰り返すタイプのスキャルピングEAでは、相対的にコミッション負担が大きくなります)。

デメリットその2:日本国内FX業者の無料配布のEAが有料になる

せこい話ですが、国内FX業者では最近MT4に力を入れている業者が多く、たくさんのEAを無料配布しています。多数の国内業者で口座開設すると無料配布のEAだけで結構なポートフォリオになります。日本非居住者は、日本国内FX業者での口座開設は実質できないのでこれを享受できません。(ただしEAの代金くらいはすぐに回収できるので、まあせこい話ですが・・)

上記2つのデメリットは挽回可能であり、大きなメリット2つに比べれば大したこともなく、結局、海外居住者はFX取引で有利である、といえます。




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